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ちょっと、その先へ

4TBのHDDを初期化した日、AIがMacを操作し始めた

2026年10月初旬。

Macに接続した480GBの外付けSSDを初期化するつもりが、誤ってBUFFALO製の4TB HDDを初期化してしまった。

過去に撮りためた写真や仕事の書類など、さまざまなデータを保存していたHDDだ。

もしかしたら復元とか出来ちゃうのでは?と思い、ChatGPTへ状況を打ち込んでみた。

返ってきたのは「可能性ありだぜ!」という回答だった。

そこで利用したのが、ChatGPTの「Workモード」(GPT-6 Astra)だ。

今回、データの復元結果以上に、このWorkモードの動きが衝撃的だった。

SF映画やアニメで見たような光景が、目の前で現実になっていた。

AIが自分のパソコンを操作し、必要なソフトを探してダウンロードし、実際に復元作業を進めていく。

便利だと思うと同時に、ぶっちゃけ脅威も感じた。

AIがMacを操作し始めた

最初は、いつものようにChatGPTへ質問するだけのつもりだった。

しかし、Workモードへ作業を引き継ぐと状況が変わった。

AIがMacの画面を確認し、ディスクの状態を調べ、復元に必要なソフト「R-Studio」の入手や起動、設定を進めていく。

少し前のChatGPTなら、たとえ間違った回答をしても平然と「それならこうだね」と突っ走り、
こちらを「もうええわ」と苛立たせることもあった。

それが今や、マウスを操作し、画面上の情報を読み取り、アプリケーションまで動かしている。

もちろん、すべてを任せきりにできるわけではない。途中で確認や操作も必要だった。

それでも、AIとの関係は「質問して答えてもらう」ものから、「実際の作業を任せる」ものへと変わったのだ。

便利さへの驚きとともに、少し怖さも感じた。

初期化とは何ぞや

今回の復元作業で知ったのは、初期化してもデータそのものがすべて消えるとは限らないということだ。

HDDの中には、ファイルの中身とは別に「何がどこに保存されているか」という管理情報が存在する。

初期化すると、この管理情報が失われたり、新しく書き換えられたりする。

つまり、データ自体は残っていても、何がどこにあるのか分からなくなる。

復元ソフトは、残された管理情報を探し、それが見つからなければ、データの特徴から
「これは写真ではないか」「これは動画ではないか」と推測して拾い出していく。

まるで、手掛かりの少ないパズルを組み立てるような作業だ。

ただし、すべてのピースが残っているとは限らないし、正しく組み合わせられるとも限らない。

データを拾い出すことはできても、元通りに戻せるとは限らない。

これが今回、復元作業で分かったことだ。

AIと4日間の復元作業

まず、元のHDDに残っているデータを壊さないよう、4TBの内容を丸ごと別のHDDへコピー。
そのコピーを使って復元作業を進めた。

解析には「R-Studio」という復元ソフトを使用した。

4TBのコピーに約9時間、データの解析に約8時間。さらにファイルの取り出しにも長い時間がかかり、作業は4日間に及んだ。

当然、普段の生活もあるので、ずっと画面に張り付いているわけにはいかない。

その間、ChatGPT Workが必要に応じて画面や進捗を確認し、保存先の容量計算やエラーへの対応などを手伝ってくれた。

ただし、MacがロックされるとWorkから操作できなくなる場面もあり、画面を共有しながら自分で作業することもあった。

そして、ようやく見つかったのは21万件を超えるファイル候補。

これで一安心かと思いきや、そう簡単にはいかなかった。

復元できても、元には戻らない

見つかったファイルを実際に取り出すには、R-Studioの有料版が必要だった。

お値段、79.99ドル!これ、消耗品費になりますか?

背に腹は代えられないので購入し、約3.25TB分のファイル候補を取り出す作業を進めた。

しかし、取り出したファイルの中には開けないものもあり、元のファイル名やフォルダ構成も大部分が失われていた。

仕事の書類や確定申告のフォルダは名前だけ残っていて、中身は空っぽ。

一方で、数字だけの名前が付いた大量のファイルが並んでいる。

必要なデータがその中にあったとしても、膨大なファイルから探し当てるのは至難の業だ。

データを取り出せたことと、元通りに復元できたことは、まったく別の話だった。

MP4なのに動画ではないファイル

開けなかったファイルの一部をChatGPT Workで解析してみた。

すると、拡張子が「.mp4」なのに、内部の識別情報はHEIC画像を示しているものが2件見つかった。

ファイルの先頭部分やメタデータから、元は写真だったと考えられる。

そこで拡張子の変更や画像形式の変換を試したが、正常な画像として表示することはできなかった。

AIはファイルの構造を調べ、その正体を突き止める手助けはできる。

しかし、失われたり破損したりしたデータを、必ず修復できるわけではない。

復元を終えて

結果として、大量のファイルを取り出すことはできたものの、元通りにはならなかった。

データ復元には、ある程度の諦めも必要なのだと実感した。

それ以上に驚いたのは、やはりChatGPT Workの能力だった。自分のMacをAIが操作し、ここまで作業を進めてくれるとは胸熱であった。

ただ、便利な反面、使っているとすぐに利用制限にぶつかる。もっと胸熱体験したければ追加課金せよ!と言わんばかりの現実的な壁にぶち当たるので、興味本位であれこれ試すのはやめておいたほうがいいよね。

そして、何でも任せられるようになるのは便利だけれど、ぶっちゃけちょっと怖い。

今のところAIとは、自分で把握して制御できる範囲で付き合っていきたい。

何でもお任せするには、自分の心の準備がまだできていないようだ…